『みんなおっぱいのんでたよ』

1997年5月1日号年少版こどものとも
木坂涼・ぶん  木村しゅうじ・え  福音館書店

こりすはどんぐりを、こいるかはさかなを、ここうもりはむしをたべている。でもね、ほら、あかちゃんのときはみんなおかあさんのおっぱいをこくこくのんでいたんだよね。
私たち人間もリスやいるか、こうもりとおんなじホ乳類動物、例外なく赤ちゃんのときは乳を飲んで大きくなる。
私は子どもが生まれたときに、子どもが自分から、「もう要らない」というまで、おっぱいをあげようと決めた。長女が2歳半のとき、第2子を授かった。私の妊娠を知った長女は、自分がお姉ちゃんになるので、赤ちゃんにお乳を譲ってあげると言って、自分から辞退した。市販の粉ミルクを飲むという方法もあったが、長女はかたくなに拒否した。
小学校に上がってすぐ、学校の先生の、「みなさん、嫌いな食べ物はありますか?」という質問に対して、「私は粉ミルクが一番嫌いです。」と答えたほどである。
一方次女は、私がいっこうに妊娠しないことをいいことにおっぱいを飲み続けた。気がついたときには4歳をとうに超えていた。普通1歳2歳ぐらいで乳離れをして、ミルクや牛乳に切り替えていく。
しかし、うちの次女は4年も生きているため、語彙の豊富さに加え、味覚のほうも舌が肥えてきた頃である。ある日、彼女はまじめな顔をしてこうつぶやいた。「お母さんのお乳より牛乳のほうがおいしいんだけどね・・・でもお母さんのお乳飲みたい。」
あれから4年、次女は文字が読めるようになった。
彼女のよくある独り言。「人工バター(日本語ではマーガリンのこと)っていうのはね、母乳を固めて作ったものでしょ。おかあさん、誰がそんなにたくさんの乳を提供するのですか?」
恐るべし想像力なり。

2010年11月13日
ある日の日記より