辞書

電子マネーは常識、電子書籍に、電子黒板、電子教科書たるものまでが導入計画されている昨今、超アナログ人間の私から、皆さんへ質問です。
「あなたは、紙の辞書派ですか、それとも、電子辞書派。」
私は、専ら紙の辞書を愛用しています。私の本棚には英和、和英、国語、漢字、中国語、イタリア語、フランス語、ドイツ語、各種の辞書が肩を並べて、お行儀 よく座っています。外国語の辞書などは一年に一度も出番という出番はありませんが、それでも私は、紙の辞書をこよなく愛す者の一人であります。
『アンカー英和辞典』(学研)、私が中学2年生のときに、お小遣いをためて買った宝物。今でも大切に使っています。1900円という定価を見て驚きま す。当時の私のお小遣いを考えると、なぜそれほどまでにしてと首を傾げたくなるようなお値段です。通常、物というものは、時間の経過とともに、古くなり、 価値が下がってくるはずなのに、紙の辞書は 使えば使うほど手になじみ、愛着が増してくるから不思議です。私は辞書にじゃんじゃんラインを引きます。勉強しているぞ!という気持ちにさせてくれるのです。私の辞書は、ラインまみれです。何せ大学受験もこれで乗り切ったのですから。娘はこの辞書を見て、「お母さんの辞書はすごいね、どこのページを開いても、線が引いてある!」と尊敬のまなざしで私を見つめます。。そして私は、得意顔。
持ち運びの便利さを考えて、電子辞書を購入しようか迷った時期もありましたが、結局、どこのメーカーがいい?どんな機能が?と悩んでいるうちに、面倒になって、止めてしまいました。そう言えば、電子辞書って、「壊れる」のですよね。いつか手放さなければいけないということに、初めて気がつきました。私にはもう買えません。
最近、子どもたちが辞書で調べることを嫌がると耳にしました。それはまさに私が子どもの時に聞いた言葉です。きっと、いつの時代でも、子どもというものは面倒なことを、嫌い、避けられる困難は、避けて通ろうとする生き物なのでしょう。「電子辞書は便利よ。あなたも使いなさいよ」と勧められたこと度々。私も、きっと便利なんだろうなあと分かってはいるが、自分がその便利さを求めているかと言えば、そうでもないらしい。

さて、その便利さである。紙の辞書を使っていた人が、電子辞書を使うようになり、便利になったのなら分かる。それは比較の対象が存在するからだ。私は紙の辞書を使った経験がある人が、電子辞書を使うことに、何の抵抗も反論もない。荷物が軽くなったり、本を収納するスペースが省けたりと利点があるからだ。
電気炊飯器が普及し、鍋で米を炊く人がいなくなった現在、人は、電気炊飯器が壊れても、鍋でご飯が炊けなくなった。私のように。
文明の利器は上手く利用すれば、大変有益だとは思うが、基本ができていないうちに使うのは、危険を伴う。それはまるで、四則計算が、満足にできない子どもに計算機を与えるようなものである。

私達は便利の代償として、何かを失っているはずである。
私はなるべく便利と形容されている品物を買わないように心掛けている。

だって、皆さん!子どもたちにこう教えているでしょ!「お小遣いで、欲しいものを、何でも買うのではなく、必要なものだけをよく考えて買いなさいよ!」って!!

2009年5月29日
ある日の日記より